2012年12月17日月曜日

モチベーションの元

C++忘年会 2012で@yohhoyさんに「アキラさんのモチベーションの元はなんですか?」と聞かれて、その場では「まぁ、勉強会とか出てると感化されますよ」と簡単に返してしまいましたが、もうちょっと整理してみます。

順を追って話しましょう。
まず、私が所属していた最初の会社では、新しいものを学ぶ体制がなかったことから、Boostを使おうとしても却下され、課の方針で「毎月何か技術を習得しよう」というのがあったのに毎月私しか発表がなかったりと、やりたいことがやれない、成長できる環境ではない、という理不尽を感じていました。

そして3年所属していた会社に別れを告げ、 @Seasons さんからお誘いを受けてエレファント・エンターテインメントという会社に入りました。最初に会ったときに「Boost使えるよ」と言われてほいほい付いていきました。
その会社はゲーム会社だったのですが、スタッフの一人ひとりが、物作りに関するモチベーションに溢れていました。 @melponn とも一緒に仕事ができて、これが開発のあるべき姿なんだなと思えました。スーツじゃなくなったのも大きいですね。

それから1年半ほどその会社で働き、「自分だけがこんなに充実した開発ができていいのだろうか。前の会社での自分のような、理不尽を抱えている優秀な技術者がたくさんいるのに」と思い、私は私と同じ境遇の人を生み出さない社会を作るための活動をしようと決意しました。@Seasonsさんが「ぼくは君たちが気持ちよく開発できるように、喜んで生け贄になるよ」と言ってマネジメントしてくれていたのも、動機の元になっていると思います。
ソフトウェア業界の、お金が入ってくる仕組みを確立したというだけで、技術をアップデートせず、今までやってこれたからこれからもやっていける、と考えるこの風習は、後世に残すべきではないと強く思っています。

私は、あとから続くプログラマのための道を整備する、そんな生き方をすることにしました。
これが私のモチベーションの元です。

そう思い立ってからは個人で勉強会を開催したり、ソフトウェア業界への問題点をブログに書いたり、他のひとのブログでやりとりしたりを繰り返してしました。やがて個人の力では限界があるとわかったので、uskzさんと会社を作りました。
勉強会のような個人でもできる活動では、個人と対話し、それに共感した個人がチームの隣の人を変え、その2人がチームを変え、会社を変え、やがて社会を変える。そんな長い道のりの最初の一歩を踏み出してくれるひとを生み出すボトムアップのアプローチをとっています。
対して会社の方は、個人が会社を変えていくのは難しいので、会社が会社を変えていくトップダウンのアプローチをとっていこうと考えています。

自分の感じた理不尽を他の人には味合わせたくない。最初の動機はそれだけです。

そして、同じ動機ではないにしても、同じ方向に社会をよくしようと考えている人が多くいることを、いろんな勉強会に参加することで知ることができました。そういった「変えようとしてる」人たちと意見を交わし、共有し、それによって自分と相手が成長しより広い視野を手に入れる。そんなことをここ数年やってきました。
なので、最初の動機は自分の理不尽からでしたが、今は他の人の動機も受け止めた上で活動を続けています。

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