引き続き『幸せな未来は「ゲーム」が創る』を読み中。
ただいま11章。
あ、ぼくの考えと同じことが書いてある。
やっぱりMMORPGは自動化できない手動作業を人間に進んでやらせるための場として機能するんだよ!それは集合知としても使える。
そして、それを代替現実ゲームとして現実に深く関われるようにすることで、世界への貢献という英雄願望の動機を刺激する。
一つひとつ考えを書いていきます:
コンピュータによる自動化は進む
ソフトウェアは多くの作業を自動化しました。その自動化の波は今後も続いていくでしょう。
そしてある程度のところまで来た時、どうしても自動化できない、もしくは自動化が労力に見合わない分野が出てきます。
それは人間がやらないといけない単純作業で、とても退屈なものかもしれません。
ゲームは単純作業
ゲームは、ときに緊張や乗り越えるべき壁を用意してくれますが、基本は単純作業の積み重ねです。しかし、その単純作業にも楽しみを覚えるくらいの動機づけとご褒美を定期的に提供してくれます。
これは、自動化できない単純作業をゲーム化することで「ゲームをしながらにしてお金を稼ぐ」というビジネスモデルが成り立つ可能性を示唆します。
「ゲームをするだけでお金をもらえる」
そんな一見胡散臭いようにも見える話を「やってみたい!」と思う人はどのくらいいるでしょうか。
その潜在ユーザー数はもしかしたら、MMORPGを毎日プレイしてるユーザー全てになるかもしれません。
代替現実ゲーム
近年流行しだしてきた代替現実ゲームという分野では、現実世界での行動に得点を付けたりして遊ぶという、現実との関わりに重点をおくようデザインされます。
これをうまく現実の単純作業と組み合わせられたら、普段の何気ない単純作業がおもしろいゴールのあるチャレンジへと変貌し、つまらないはずの行動に動機を与えることができるでしょう。
英雄願望
人は誰しもなんらかの英雄願望を持っています。
これはとくにゲームをやっている方なら覚えがあるでしょう。
仮想世界で世界を救う勇者としての使命を与えられ、プレイしてるうちに感情移入し、自分が操作するキャラクタの使命を自分のものとして感じる感覚を覚えたことがあるでしょう。
ゲームでは、そういった大いなる目的をユーザーに与えることができます。
国境警備というめったに問題の起こらない退屈な仕事を、無償でアウトソーシングしたという話があります。これは何をしたのかというと、国境を見張るためのカメラを設置し、そのカメラの映像をインターネットを通して誰もが見れるようにしたのです。
これだけで本当に効果があるのか、見張ってくれる人なんて現れるのか、疑問でしょう。
しかし、実際には多くのユーザーが常時代わる代わる監視カメラで見張りを行なってくれたのです。彼らには報酬など一切はいらないというのに。
そこには、「オレが国を守っているんだ」というユーザーの英雄願望が強く関わっています。
(出典:『これからの「正義」の話をしよう』)
世の中のためになること、自分がその主役であること、それをユーザーの動機づけとすることで、ユーザーは自発的に行動してくれるのです。
集合知
近年、情報の集合知化が進んでいます。
集合知というのは、自分一人で書いた情報というのが100%正しいとは言い切れないから、他の人にも編集してもらい、より良い情報に成長させるというものです。
集合知の代表的な例はWikipediaです。
そこには、多くのユーザーが情報を補完しあう文化が生まれています。
集合知で問題となるのは、人的リソースです。
情報というのは、過去から現在までの全てのことを指すため、どれだけ人が関わってもその活動に終わりはありません。そして、人的リソースが圧倒的に不足しているのです。
これは、現在のインターネット社会がまだ、誰もが集合知に関わるという文化ができておらず、情報を搾取するだけのユーザーが大半であるためです。
これまで話してきたのと同じように、ゲームはそういった文化を変える可能性を秘めています。
情報を補完することが誰かのためになって、自分はそれに貢献でき、感謝され、そこにおもしろさを感じるというサイクルさえ作り出せればよいのです。それはまさにこれまで話してきた単純作業、代替現実ゲーム、英雄願望というファクタに合致します。
ゲームは、これまで多くの人がやりたがらなかった単純作業を自発的にさせることができる可能性を秘めています。さらに、コンピュータによる自動化で、人力でしかできない分野というのがほどなく浮き彫りになるでしょうから、そういった分野への雇用が生まれる可能性も十分にあります。
代替現実ゲームやネットワークゲーム、こういった分野で雇用とつながるものを生み出せたら、きっとそういった世界が生み出せると信じています。
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